竹下育男あて 31・10・17 [勝野睦人書簡集]
(竹下育男あて)
「噴き上げ」を 御存知でしょう もう一度 あれを読み返して
ごらんなさい それでまだ 高野喜久雄が “面白くもねえ…”よ
うなら もはやなにをか いわんやです あなたは 博学すぎるん
ですよ 詩が Symbolisme の書物の 下敷きになっている Rimbaud
の詩の 音階は それはたしかに すばらしいけど 音の アラベ
スクだけでは 感動できない かといって 意味と音階を 結び付
けることは 日本人には 不可能な筈
ーーとすれば やっぱり
Symbolisme とは離縁した方が……
× ×
詩は音楽でも 生理でもなく 一枚の「設計図」だと 思うので
す 例えば 高野喜久雄の それのように
31・10・17
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