モノローグ [勝野睦人遺稿詩集]
モノローグ
たぶん
わたくしは ひとつの結び目なのです
たわむれに
運命の両端を
力一杯ひっぱった 神様
あなたのために
こんな依怙地な
わたくしが生れてしまいました
一度結んだわたくしを
夜店で買った知恵の輪のように
するするほどいてしもうのも 神様
あなたでしょう
生きていることは
ひとつの<しこり>
喉元にからんだ痰唾のような
のみこむことができない かなしみ
神様
あなたの煙管(きせる)を詰まらせているのが
わたくしたちの<命>です
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